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教育の概要

 学生教育は最も重要な課題であると考え、教室を挙げて卒前・卒後教育にあたりたいと思います。 教育に対する情熱の差が、卒業生の質の差につながり、研究・臨床面における将来の大学間の格差につながります。 また、教室のレベルの差に直結します。そこで、なぜ医学を学ぶのか,どんな外科医になりたいのかを若い医学生・研修医と一緒に考えたいと思います。 その中で、ひとりひとりの医学生・研修医が自ら考えて問題を解決する能力を開発できるよう手助けしたいと思います。 常に考えるように導くことで、将来に夢と希望を抱かせることができると考えています。

 その第一歩として、ポリクリ教育を一新しています。アメリカのMedical Schoolの教育カリキュラムおよび日本医学教育学会の指針を参考にし、ポリクリ学生にもカルテを持たせ、診療チームの一員となるクリニカル・クラークシップを導入しました。 さらに、図書館やインターネットで国際的な一流誌に掲載された論文を多読し、その疾患に関するEvidence-based medicine (EBM)に従った診断・治療を考えるチュートリアルも開始しました。 

 さらに、卒後教育に関しましては大学病院のみですべてを教育できるわけではありません。今、地域医療を考える上でも各病院が機能分担する必要があります。 primary careに始まり第1次・第2次救急医療は、地域により密着した関連病院で学ぶ方が効率的です。 関連病院の方が疾患数の多い外科手術もあります。県下の基幹病院が卒前・卒後教育の一翼を担えるような専門医・指導医の人材派遣を進めることで、地域医療へ貢献できると考えます。 

 また、研修医の間に、症例報告でも良いから論文を執筆させ、論文作成を通じて臨床研究のあり方を教えたいと思います。その手助けの一環として、土曜日の午前中に研修医の諸君との抄読会を行っています。Annals of Surgeryなどの一流誌に掲載された臨床研究の論文を詳細に分析することで、研修医の各人が、近い将来にこのような臨床論文を自ら執筆したいという意欲を駆り立てることがねらいです。また、論文を分析し批判することで、学会でのdebateの練習にもなるよう配慮しています。
すべての外科医は、多くの患者さんを手術し、厳しい周術期管理をしながら成長していくわけですが、その個人および施設の努力である臨床成績は論文にすることで初めて社会からの評価を仰ぐことができるわけです。努力が大きければ、国際的な一流誌に採用されるでしょう。世界中の多くの外科医がその論文を参考にし、次の世代に向けて新しい治療法の開発につながるでしょう。第2外科の医局員はこのような考え方で臨床に臨んでいます。

和歌山県立医科大学第2外科教授 山上裕機