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治療内容

消化器外科

第2外科は消化器外科を中心として内分泌外科,小児外科,内視鏡外科,および一般外科を担当しています。
消化器外科領域では、和歌山県で発生頻度が高い食道癌、胃癌をはじめとして、小腸から大腸・直腸・肛門にいたる消化管の病気と肝臓・胆嚢・胆管・膵臓・脾臓などの臓器の病気を治療しています。 
まず、食道癌・胃癌ではリンパ節転移の好発部位の郭清(癌の転移の可能性があるリンパ節をきれいに切除すること)を重点的に行う合理的な手術を目指します。 また、胃癌では手術後の良いQOL (生活の質)が得られる手術として、進行度に合わせて必要最小限の胃の切除を行います。 また、手術をしないでも治る癌に対しては、内視鏡による治療を積極的に行っています。

胃癌・食道癌の年間手術数 (2005~2016)

  '15 '16 ---  ---   ---  ---   ---  ---  ---  ---
胃癌 162 170  ---  ---   ---  ---   ---  ---  ---   ---
食道癌   51   57  ---  ---   ---  ---   ---  ---  ---   ---
  ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 ’11 '12 '13 '14
胃癌 149 193 178 200 178 170 167 140 153   160
食道癌
34
27
33
40
40
45
41
52
32
50

最近の大腸癌の増加に対応するため、第2外科では大腸グループのメンバーを強化しています。 癌の進行度から、内視鏡的粘膜切除術(切開剥離法)、経肛門的切除、腹腔鏡下手術、標準手術、拡大手術、できるだけ肛門を温存する術式(内肛門括約筋切除を伴った超低位前方切除術)など多岐にわたり、すべての治療法に対応できるようになっています。手術後の補助療法や集学的治療もエビデンスに基づきガイドライン化し、進行度別に一定の基準で行われるようになり、常に安定した治療法が提供できるようになっています。その結果、良好な治療成績を示しています。また、クローン病や潰瘍性大腸炎などの難治性の炎症性腸疾患についても専門家による適切な治療を受けていただけるようになっています。

大腸癌の年間手術数 (2005~2016)

  '15 ’16 --- ---  ---  --- ---  --- --- ---
全例
210
234
 ---  ---   ---   ---  ---   ---  ---  ---
結腸癌
123
147
 ---  ---
---
  ---
---
  ---  ---  ---
直腸癌
87
87
---
---
 ---
---
 ---
---
---
 ---
肛門癌
0
0
---
---
---
 ---
---
  ---
---
---
   ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 ’11 ’12 '13 '14
全例
164
146
199
180
164
164
172
175
221
203
結腸癌
82
84
121
115
89
103
113
110
151
131
直腸癌
80
62
78
63
75
61
59
64
70
72
肛門癌
2
0
0
2
0
0
0
1
0
0

肝臓の癌には、転移性肝癌と原発性肝癌の2種類があります。

転移性肝癌は、肝臓自体には問題がないのですが、消化管癌の癌細胞が血流の流れに乗って、肝臓へ流れ込み、肝臓にて腫瘍を形成したものを指します。基本的には肝転移は全身疾患と捉えられ、抗がん剤による治療が主となるのですが、大腸癌の肝転移においては、積極的外科的切除が予後改善の鍵と言われています。

 また、原発性肝癌においては、肝細胞由来の悪性腫瘍(肝細胞癌)が主たる疾患であり、肝臓自体に問題があり(C型肝炎ウイルス・B型肝炎ウイルス。最近では、糖尿病を起因とする脂肪肝も原因となることが多いです。)、慢性肝炎による肝細胞の障害により発生する悪性腫瘍です。次いで、胆管細胞由来の胆管細胞癌があります。

 当科での肝臓の癌に対する年間手術件数を以下に示します。当施設は、日本肝胆膵外科学会認定高度技能専門医が5名常勤している、和歌山県下では唯一のハイエンドな施設です。今後とも安全性を担保しつつ、治療が難しいとされる患者さんに対しても積極的に手術治療を行ってまいります。

肝疾患の年間手術数 (2005~2016)

'14 '15  ’16   ---  ---  ---  ---   ---   ---
合計
71
88
98
---
 ---
 ---
---
---
---
 肝細胞癌
39
44
60
---
---
 ---
---
---
 ---
肝内胆管癌
8
12
8
 ---
---
 ---
---
---
---
肝門部胆管癌
1
4
5
 ---
---
 ---
---
---
---
転移性肝腫瘍
22
26
23
---
---
 ---
---
---
---

その他の

肝腫瘍

1
2
2
---
---
 ---
---
---
---

腹腔鏡下

肝切除

27
30
49
---
---
 ---
---
---
---

腹腔鏡下手術

の割合(%)

38.0
34.1
50.0
---
---
 ---
---
---
---
 ’05  ’06  ’07  ’08 ’09 ’10 ’11 '12 '13
合計
60
82
62
65
73
68
65
82
90
 肝細胞癌
28
41
30
33
39
44
39
41
52
肝内胆管癌
4
10
3
10
8
6
9
8
9
肝門部胆管癌
6
4
4
2
6
1
3
5
3
転移性肝腫瘍
22
23
20
17
15
15
12
27
21

その他の

肝腫瘍

0
4
5
3
5
2
2
1
5

腹腔鏡下

肝切除

0
0
0
6
9
7
8
19
31

腹腔鏡下手術

の割合(%)

9.2
12.3
10.3
12.3
23.2
34.4

膵臓癌や胆道癌は増加している癌です。特に膵臓癌は日本では癌死亡の第5位で、進行した状態で見つかるため、治りにくい癌のひとつと言えます。第2外科には和歌山県下だけでなく、大阪府下からも多くの膵臓癌の方が来院されており、南近畿における膵臓癌のセンターになっています。膵頭部にできた膵臓癌や肝外胆管にできた癌は、「膵頭十二指腸切除術」という腹部の手術の中では複雑で難易度の高い手術が必要となります。特にこの手術は膵臓と腸を吻合(つなぐ)ため、多くの合併症が生じやすい手術でした。私たち第2外科では膵管と小腸の粘膜を吻合する方法を用いています。この方法は世界的にも認められた方法で、膵液の漏れが少ないことが世界の大きな施設からも報告されています。また、胃に関しても、可能な限り、術後の摂食状況を維持するために、全胃を温存する幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行しています(以前は胃を約半分切除するのが標準とされていました)。手術後がより良い経過であるように、手術の方法や術後管理の方法などを細かく解析し、今後、同様の手術を受けていただく方がさらに短期間に回復できるよう、まだ明らかになっていないことをひとつひとつ明らかにしていくことが大学病院の使命のひとつと考えています。

私たちは、膵癌の治療成績を向上させるために、まず、過不足のない合理的なリンパ節郭清を行い、門脈に癌が及んでいる場合には門脈の合併切除も施行します。私たちの経験では門脈の切除と合併症の頻度は関係がありませんでした。私たちは、手術後の、肝臓への再発(肝転移)を予防するために、肝動脈から抗癌剤を投与する肝動注療法と全身化学療法を行い良好な治療成績をあげてきました。現在は、ジェムザールを用いた術後化学療法を推進しています。 

膵臓にできる腫瘍のほとんどは浸潤性膵管癌という名前の膵臓癌ですが、膵嚢胞性腫瘍や腫瘤形成性膵炎などの膵臓癌との鑑別が困難な病気に対する手術も多く手がけています。また、明らかに良性の疾患、良性・悪性の境界領域の疾患では、できるだけ膵臓の機能を温存した縮小手術を心がけています。 今後とも、和歌山県だけでなく日本国内の膵臓癌ならびに膵切除術の中心的医療機関として、優れた新しい治療法を開発していきます。


膵臓癌の年間手術数
(2005~2016)

'14 ’15 ’16 --- --- --- --- --- ---
膵切除術  92
108
 83  ---
---
 ---
---
---
---
 膵頭部切除
64
64
60
---
---
---
---
---
---
 膵体尾部切除・他
28
44
23
---
---
---
---
---
---

浸潤性膵管癌

切除症例
(IPMN含む)

54
77
52
---
 ---
---
---
 ---
 ---
下部胆管癌切症例
(乳頭部癌含む)
24
15
17
---
---
---
---
---
---
’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 '11 '12 '13
膵切除術
44
60
102
78
98
86
85
100  79
 膵頭部切除
32
39
68
57
73
52
48
62
56
 膵体尾部切除・他
12
21
34
21
25
34
37
38
23

浸潤性膵管癌

切除症例
(IPMN含む)

22
20
52
46
51
35
69
71
56
下部胆管癌切症例
(乳頭部癌含む)
4
8
12
16
19
12
8
20
12

小児外科

小児外科では、和歌山県下における唯一の小児外科学会の認定施設として、指導医1人、専門医2人の体制で、心疾患,整形外科、脳外科領域を除く小児の外科疾患全般に対して治療を行っています。また、総合周産期母子医療センターの一員として産科、新生児科とともに、胎児期より母児の治療に関わっています。小児の悪性腫瘍では、小児科と協力し,根治を目指すとともに成長・発達障害および晩期合併症を予防することを目標に治療を行っています。腹腔鏡手術も積極的に取り入れ、小児のそけいヘルニアには、周辺臓器への負担が少なく反対側のヘルニアの評価も行える腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure: LPEC)を男児、女児共に行っております。

小児外科の年間手術数 (2004~2014) 

’04 ’05 ’06 ’07 ’08 ’09 ’10 '11 '12 '13 '14
ヘルニア
36
21
43
39
22
51
23
24
37
40  45
小児外科症例
21
34
27
33
69
60
80
81
68
96 103

内分泌外科

内分泌外科として、甲状腺癌や甲状腺機能亢進症などの甲状腺疾患や副腎腫瘍などの治療も手がけています。
(年間手術数: 内分泌外科 10~15例)

内視鏡外科

消化器疾患を中心とした外科治療を行う上で、近年の内視鏡(腹腔鏡)を利用した外科手術の発展はめざましいものがあります。 第2外科では、他施設に先駆けて、腹腔鏡補助下の消化器手術を開発してきました。 この方法は、小さなキズで手術ができるので、痛みが少なく患者さんにやさしい手術といえます。 痛みが少ないので、回復も早く、腹腔鏡下の胆嚢摘出術では、術後4~5日で退院していただくことが可能です。 腹腔鏡を用いた手術は胆嚢だけでなく、食道・胃の手術や大腸の手術にも応用されてきています。

消化管腫瘍に対する内視鏡治療(内視鏡治療:1,514例)【2014.9】

  症例数
(例)
切除長径
(mm)
完全切除率
(%)
施行時間
(min)
入院日数
(日)

食道

(異型上皮・がん)

194 28.6
(〜70 mm)
92.7 74.8 3.63

(腺腫・がん)

853 35.3
(〜140 mm)
92.2 73.3 1.93

大腸

(腺腫・がん)

435 29.1
(〜145 mm)
91.6 77.1 1.75

十二指腸

(腺種・がん)

  32
15.6
(〜35 mm)
93.8 39.1 5.13

一般外科

第2外科では、体表の疾患に対する手術、例えばそけいヘルニアなどの手術も担当しています。